インフルエンザ予防接種 Q&A

インフルエンザ予防接種 Q&A

Q1. インフルエンザって何?

インフルエンザとは

  • 毎冬のように短期間に、集中して100万人単位で大勢の人が罹患するため、健康被害のみならず社会活動にも大きな影響を与えます。
  • かぜとは全く異なる、感染力の強いウイルス性の伝染病のひとつです。
感染経路

飛沫感染ウイルスを含む唾液や痰が飛沫となって空中に飛び、これを吸引して感染します。

症状

高い発熱(39℃以上にもおよぶ)、頭痛、全身倦怠、くしゃみ、咳、鼻水、のどの痛み食欲不振、胃腸炎、嘔吐、下痢など

潜伏期間

1~5日間(平均3日間)

発症期間

通常1週間くらいで回復

出席停止期間

解熱後2日間 / 発症後5日間

危険度の高い合併症を誘発

発症する合併症の例
  • 咽頭炎
  • 気管支炎
  • 肺炎
  • リンパ節炎
  • 中耳炎
  • 結膜炎など

高齢者の合併症として特に肺炎は深刻

Q2. 日常生活の予防で大事なこと

  1. 外出後の手洗いとうがい
  2. 人ごみを避ける
  3. マスクを着用する
  4. 栄養と休養を十分にとる
  5. 適度な温度・湿度を保つ

インフルエンザの予防にはワクチンが最も有効

インフルエンザの予防にはワクチンが最も有効

ワクチンによってインフルエンザにかかる確率を低下できたり、かかっても発熱などの症状が軽くてすんだり、合併症や死亡する危険の低下が期待できます。

Q3. インフルエンザワクチン 一体いつ打てばいい?

インフルエンザワクチンの接種時期

インフルエンザワクチンの接種時期

厚生労働省ホームページ、インフルエンザQ&Aより作成

ワクチン接種による効果が出現するまでに2週間程度を要することから、毎年12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいと考えられます。

Q4. インフルエンザの予防接種をするべきでない人
  (接種不適当者・要注意者)は?

接種不適当者(次の患者には投与しないこと)

予防接種を受けることが適当でない者

被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。

  1. 明らかな発熱を呈している者(通常37.5℃以上
  2. 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
  3. 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
  4. 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

接種要注意者(次の患者には慎重に投与すること)

接種の判断を行うに際し、注意を要する者

被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。

  1. 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
  2. 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
  3. 過去にけいれんの既往のある者
  4. 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
  5. 間質性肺炎、気管支喘息等の呼吸器系疾患を有する者
  6. 本剤の成分又は鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対して、アレルギーを呈するおそれのある者

Q5. ワクチンの有効性は?

ワクチンの有効性

対象者 国名 指標 有効率(%)
高齢者 日本 死亡回避 80
発病予防 34~55
アメリカ 死亡回避 80
入院回避 50~60
発病予防 30~40
成人(65歳未満) アメリカ 発病予防 70~90
乳幼児(6歳未満) 日本 発病予防 22~25
予防接種Q&A、改訂第3版、小児内科 Vol.45、2013

現在のインフルエンザワクチンは、予防に有効であることは明らかですが、接種対象者の年齢や評価指標によって、有効率が異なります。

Q6. インフルエンザワクチンの用法・用量は?

用法及び用量

  • 6ヶ月以上3歳未満:0.25mL
  • 3歳以上13歳未満:0.5mL
    およそ2~4週間の間隔をおいて2回注射する。
  • 13歳以上:0.5mL
    1回又はおよそ1~4週間の間隔をおいて
    2回注射する。
用法及び用量に関連する接種上の注意
  1. 接種間隔:
    2回接種を行う場合の接種間隔は、免疫効果を考慮すると4週間おくことが望ましい。
  2. 他のワクチン製剤との接種間隔:
    生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種すること。ただし、医師が必要と認めた場合には、同時に接種することができる(なお、本剤を他のワクチンと混合して接種してはならない)。

Q7. インフルエンザ予防接種を受けた後の注意点

インフルエンザワクチンを受けたあとの注意

  1. 接種当日は接種部位を清潔に保ち、いつも通りの生活をしましょう。(入浴はOKです)ただし、はげしい運動や大量の飲酒は避けて下さい。
  2. 接種当日の入浴は差し支えありませんが、注射した部位をもむ・こすることはやめましょう。
  3. 接種直後、または数時間経ってから、発疹やじんましんなどのアレルギー症状が出た場合は、速やかにお医者さんの診察を受けてください。
  4. 注射した部位が赤く腫れたり痛んだりすることがありますが、いずれも一過性で通常2~3日で治ります。ですが、腕全体が腫れるなど異常な症状が現れたときは、速やかにお医者さんの診察を受けてください。
  5. 接種後、高熱やけいれんなど体調の変化が現れたときは、速やかにお医者さんの診察を受けてください。

Q8. 新型コロナワクチン予防接種とインフルエンザ予防接種はどの位間隔を空ければいいですか?

新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンは、接種間隔を空ける必要はありません。同時接種も可能です。(厚生労働省ホームページ 新型コロナワクチンQ&Aより)
(注:当院では新型コロナワクチンの予防接種は行っておりません。)